ハンドサイン


声の大きな子に左右されたり、いつも発言する子の意見で方向が決まったりしないように一人一人の考えを大切にしながら授業を進めていくには、どんな手立てがあるだろう。ここが出発点である。一人一人の立場をはっきりさせ、仲間にもわかるようにするために必要なサインがこのハンドサインである。








  

 指を使ってのハンドサインの有効利用

   不安な子にとって「同じ」は、一番安心して出せるサイン
  「わからない」はわかるためにスピードを落とすサイン
  「つけたし」は、友達の考えを応援するサイン
  「質問したい」は内容を深めるサイン
  「違う」は内容を発展させるサイン


※わからないことがあることははずかしいことではない。わかるための新しい視点を生み出すよいチャンスになる。時間を掛け、相手を理解しようとするよいきっかけになったり、理解し合うための話し方を工夫する話し手の話し方を高めるきっかけになったりする。教師のフォローがわからないと言った子どもに勇気を与えることになる。「わからない」を大事にするとどの子も安心して授業に参加できるようになる。









 利用の順序
 いつも安心して挙手できるためには、次の順序で高めていくとよい。
(学級の8割程度の子どもが利用できるようになるまでじっくりと鍛える。)
(じっくり鍛えている間に次の視点を拾い、次の指導の準備をする。)

@ 「同じ」  
  
質はあまり問わない。発表できる喜びに浸らせること
  
あなたの考えを知りたいという立場を崩さない。
A 「わからない」
  
質を見ようとするきっかけになるのでわからない内容を
    大事に扱う。(話し手を鍛えることに
力点をおく。)
B 「つけたし」「質問」
  
いろいろなつけたしが出てくるので、教師の整理が重要
   つけたしか否かを。中には違う内容を言う子もいる。
決し
   てつけたしを否定しない(子どもはつけたしと思っている)

  
質問も同時に扱うのは、質を大事にしているから。教師
   の教材の理解が不十分だと言わせ放しになる。いわゆる
   這い回りの授業にならないためである。

   
(最初は教師が見本を示す・・・切り替えし発問がこれ)

C 「違う」

  
内容を理解しているから出てくる発言であるが、中には理
   解不十分でも「違う」と発言する子もいる。「何が違うのか」
   をはっきりさせる教師の支援が必要。

 一度発言すると、その後挙手をやめてしまう子どもがいる。自分の考えを言えば終わりではない。人の話を聞くことで自分の考えが深まったり、より確かになったりするはずである。常に挙手で自分の立場をはっきりさせるのだという考えに教師が立っていないと、教師の都合のよい発言だけを取り上げ、子どもを自分の授業のために利用する授業に陥りやすい。友達の意見を聞いたら必ず反応するという習慣を身に付けさせるつもりでいるとわりと楽である。
 ただし、逆に子どもたちは緊張の連続となる。気を緩めないで聞きつづける力を持つ子どもにしたい。(目安・・・低学年15分 中学年・・・・25分  高学年・・・・35分)











    

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