9月の目標  友達とつないで話そう   
   (話し合いのルールを使えるようにする)   

7月の話し合いのルール作りが充実し、いよいよそのルールを使って話し合いを進めていく姿がこの月の子どもの姿として現れてくる。

 このルールを使い慣れるまでに時間がかかる。そこで、この9月は作ったルールを使い慣れる時期でもある。

 今後は、「何が同じなのか」「何が分からないのか」「何につけたしなのか」など具体的な学習の内容が問題になってくる。個々の発言がつながりを持ち、学級みんなで1つの課題を追求しているのだという方向を持たせながらこの9月の指導を充実させたい。

〜指導の手立て〜

     板書の工夫

誰もが位置付く板書 

(誰の発言なのかを大事にする)

  ※子どもは何を言っても認めてもらえる(安心して発言できる)

 ↓

友だち同士のつながりが分かる板書 

(どんな発言が大事なのかがわかる)

 ※子どもはよりよい発言を目指そうとする

     指名カードの利用

 教師の意図性が強くなると板書が構造的になっていくが、子どもの発言をうまくつないでいくことで子どもの思考の流れに合った構造的な板書ができる。

(誰がつないでくれたのか、誰が何を深めてくれたのか、などが板書を見てわかる。)

 

     掲示の工夫

 話し合いのルールを使うことに目当てを持ったり、自分の頑張がわかったりするような掲示を工夫する。(学習姿勢として生まれた学級の文化を掲示として残す)
聞く→聴く(段階的に目指す方向がわかる掲示 ※分かるようになりたい、できるようになりたいという心が形となって見えてくるのだ)ハンドサイン、話し言葉(同じ、違う、つけたし、わからないなどの種類の掲示 ※話し合いができる学級を作るための知恵だ)

指名順序(話し合いの流れが分かる掲示 ※相手を思いやる心の表れだ) 

     板書を段階的に高める

1、網羅的、羅列的に扱う板書

初期の段階では、どの子も平等に扱われ、どんな意見であっても認められる。

 そして、質は問わないため、誰もが板書に位置づく。

※どの発言も認められるので、子どもは自分の発言に自信を持つことができる。

2、類型的に扱う板書

子どもの発言の内容を元に同じ考え方や似ているものをまとめる。どの子も平等に扱われるが、それぞれの発言の内容には質があることに気づかせていく。

※教師の教材研究が不十分だとこの類型化ができない。子どもは内容の違いに気づく。

3、関連付けや順序立てなどを行い構造化した板書

類型化した内容どうしを比べたり、関連付けたり、順序を決めたりすることにより、板書が構造化される。

※教材研究をしておくと、この構造がイメージできる。しかし、このイメージを元に授業を進めると教師主導になりやすい。子どものつまずきや疑問を解決することが構造を作っていくという考えに立ち、子どもの思考の流れに合わせることで結果として板書が構造的になったという板書ができあがる。(子ども

が疑問に思わないときに行う教師の切り替えし発問が重要になる。)

※板書の中で「誰の発言が内容をつなぐ発言になったのか」とか、「深まったのは誰の発言からか」などと発言した内容についての振り返りをすることにより、発言の内容に質の高い発言があることに気づいていく。

このことを繰り返すことで、よりよい発言をしようする子どもが増えてくる。また、内容にこだわり始める子どもが増えてくる。

       

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