お見合い形式の席かえ 

 一番身近な友達は隣の子、1ヶ月一緒に並ぶことで「とっても仲良しの二人」になれたら素敵だね。そんな相手を自分が探して、自分が決めて一緒に並ぶんだ。1年たったら10人ほどの仲良しの友達ができるよね。

  やり方

1、男女を分けて壁を背にして向かい合う。

※早くペアを決めて全員が座ることが学級の仲良しだと話す。

 (時間を毎回計る)

※隣の子を選ぶ観点はあらかじめ子どもに紹介しておく。(3観点)

 「一緒に競争したい子」

* 「教えてほしい、助けてほしい子」

* 「教えてあげたい、助けてあげたい子」

 壁を背にして対面した異性を眺めているときにこの3観点のうちから自分が今月頑張りたいことをもとに決めさせる。

2、「始め」の合図で相手を選ぶ (教師は時間を計る)

    合図ですぐに動く子、自分から話せずにじっと待っている子、友達の動きに合わせて行動する子、一人に何人も集まって決めかねる子、相手に断られて困っている子、決められないで先生に助けを求める子、逃げ回る子などいろいろな子どもの姿が見られる。その子らしさが出る瞬間である。

    誰がどんな動きをするのか観察をする。(人間性が見えてくる)

2、決めたら、二人並んで好きな場所に座る。

    全員が座るまで我慢して待つ。残った子も出るが、次の月に頑張るように励ましたり、1ヶ月の間一人で頑張るように励ましたり、1ヶ月の間のその子の頑張りを見つけて紹介したりする。

    全員が座り終わったら、時間を知らせ頑張りを誉める。

    2、3ヶ月後からは、これでよいかを子どもたちに問う。

 (いつも同じ子が残る、4人グループになったときに同じメンバーになるなどの問題が出てくるのでそれを話し合う時間ができる)

 

 実践に当たって

初めはなかなか自分で決めて座ることができないので、全員が席に着くまでにかなり時間がかかる。この決める時間の早さが学級の仲良しを見る目安だから、次の月はこれより早く決めるように頑張らせる。回を重ねるごとに短い時間でできるようにならなければ1ヶ月の取り組みに問題あり。

2、3ヶ月同じ子が最後まで残ることが起きてくる。(学級の中で問題を持った子)

 なぜ残るのかその原因を話し合う。問題になった子どもはつらい思いをするが乗り越えることが仲間と生活する上で大切なことであり、よりよい学級を目指すことになる。

 このとき、この問題はその子だけの問題でないことを取り上げ、同じような問題が他の子 でも起こりうることを取り上げる。(きっかけはその子であっても、その子だけを取り上げることは、絶対に避け一人の問題ではないこととして扱う)

・問題を持った子どもたちには、自分が問題解決のためにすべきことを決めさせる。

・その他の子どもには仲間として頑張りの見届けをすることを約束させる。

 (その日、次の日が肝心)

子どもたちは約束したことを忘れてしまうことが多い。しかし、問題を取り上げられた子たちが一番頑張るのは、この日である。帰りの会で1日の振り返りをし、頑張りを見ていたか確認する。(頑張り見つけの時間を設けているとそれがよくわかる)

見ていなければ、「つらい思いをしてそれを乗り越えようと頑張る仲間を見捨てるなんて許せない」という気持ちで子どもたちに立ち向かう。そして、頑張りを教師が紹介する。

このことを毎日帰りの会で取り上げることで、問題の子どもたちを見ている子どもがどんどん増えていく。そして、1ヶ月も続ければ、その子は学級のスターになるほど認められていく。次の月には必ずその子を選ぶ子どもが数名現れてくる。

 

  席かえはきっかけにすぎない

席替えだけでは、子どもたちは仲良くはならない。あくまできっかけなのだ。

 日頃のくらしの中から二人の仲良しの姿を見つけ、それを「いい友達選んだね。」「すごく仲良しだね。」などと自分で決めて頑張ったことがよかったと自覚できるように常に働きかけをし続けることが重要である。

仲良しの姿(ノートを見せ合うとき、二人で話し合ったり相談したりするとき、ものを貸し借 りするとき、机を二人くっつけているとき、二人で作業をするときなど)を発見する教師の力量が子どもの仲良しを作る決め手となる。

 

  グループ作りに発展

席かえをしていくうちに子どもたちの中からグループの決め方に問題を感じる子どもができてくる。

その機会を利用して、グループはどんなグループにすればよいかを決めたり、リーダを決めてからペアを決めたりと活動に広がりが見えてくる。

 

 

                         

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